2022.04.01
月ヶ岡茶寮2 SAKEと下弦の月。晩餐原宿Terrace.
「日本酒をいかに、様々なシーンで愉しむか」というのは、私に与えられた大きなテーマの1つである。究極の酒をゆったりとした和空間で、至高の美食とペアリングを愉しむのも良し。風情ある酒場で肩ひじ張らず、わいわいと堪能するのも良し。酒のチョイス、料理のチョイスと同じくらい、私は皆さんに酒を愉しんで頂くためには「シーンを作る」ということに強いこだわりを持つべきだと感じている。
実は、人気レストランから、広い貸スペース、アートギャラリーなど、最初は2、30人から最大で100人規模で開催してきた「陸奥八仙の会」では、敢えて毎年場所を変えて行ってきた。そのおかげで、毎回新鮮な学び、刺激、発見が必ず次に生きた。回を重ねるごとに進化して、結果良いイベントなっていったのだなと思う。
予算のリスクは多少あれど会場は吟味して、最終的に2択3択と絞られれば、やはりより皆に感動していただけそうな場所を選ぶことが結果、いつも正解だと思う。今回の共催仲間Rさんと、向かいのビルの非常階段から会場を眺め、白い息を吐きながら「よし。ここだね。」と決めたのが、1枚目の写真。
どこかパリの街角のようでもあり、夜のテラスの解放感が何といっても魅力的だった。雨が降らぬよう強く祈ったおかげが、当日はビルの向こうに下弦の月が上がりこの原宿裏路地のテラスに心地よい風が流れた。美酒に会話がはずむ来場者の高揚感が、私たちにはこの日何よりの喜びだったように思う。
しかし、まさか1か月半遅れの私のバースデー・サプライズには、思わず泣きそうにもなった。
よく一緒に内輪の酒の会を行う建築家の長谷川さんが、山陽盃酒造とコラボした限定ラベルのシードルも最高だった。
そして、せわしないオープニングから伸び伸びのクローズまで、一生懸命手伝ってくれた多くの友達のおかげで会が成り立ったことを改めて深く感謝を申し上げたい。
コロナ渦のイベントにはやはりそれなりの覚悟と責任を負うプレッシャーがあり、今回のイベントは新たに仲間と企画・議論を重ねる中で、今まで一番気を遣ったり、大変だったようにも思う。私自身、反省、やりきれない後悔が本当にたくさんあった。色々な事を学ばせてもらった。
しかしこうして写真を見て振り返ると、本当に開催して良かったなと思える素晴らしいイベントでした。時間を経て、ジーンとくるものですね。一緒に組み上げてくれたRさん、そして、来場者の皆さんも本当に有難う御座いました。