大雁塔・小雁塔~砂色の絹の道。西方に望む。
ロマンで繋がる遠い砂色の道は、大陸特有の曇った大気のベールに包まれ、西に消えていた。
陝西省・西安から戻ること数日。大雁塔から眺めた西の方角に時折想いを馳せる。
あの途方もない道の先に、そう、ロマン。まさに「ローマ」があるのだ。
大雁塔に比べ歴史的には幾分浅い小雁塔。何故かこちらの方が、
砂漠の彼方に見える蜃気楼としては、絵になるような気がしないでもない。
どちらでもいい。
ここは、シルクロードの入り口だ。
1000キロでも、2000キロでも進み振り帰った時、
旅人はどちらの蜃気楼を見るのだろう。