2016.06.29
六古窯巡礼。❶~TOKONAME常滑
いにしえの 雨降る里の 土管坂。
平安時代から続く古窯・常滑。
明治期・文明開化の特需において、日本の土管の多くを製造していた時代を、この細い坂道は記憶している。
遡れば、ここは中世陶器の主要産地。無数の素晴らしい壺や甕がこの場所で生まれ、重用されていたことが各地の発掘から分かっている。
常滑歩きは、雨が合う。
窯場は坂道と階段が多い。常滑はその好例だ。
かつての土管工場は現在ギャラリーとして、静寂の内にオーラを醸しつつ旅人を迎える。
古い窯業の軌跡を随所に感じる空間。並ぶ現代作家の器に色を添える。
雨も良いが、晴れた午後の散歩もなかなか良い。細い路地は特に良い。
坂道を戻り、煙突の路地を曲がり、あの店で見た朱泥のぐい吞みを買って今宵は一献といこう。